くちぶえブログ

田舎暮らしのあれこれを綴っていきます。

『田舎暮らしの物件購入』その1

『移住』『田舎暮らし』言葉のイメージは、『穏やか』『ほのぼの』といった感じでしょうか?しかし『現実は甘くない』という意見も多く聞かれます。私はやり方次第、感じ方次第、人それぞれだと思っています。また、移住する年齢によって、項目の重要度は左右されます。
少しでも考える手助けになるように、私なりの考えを書いてみます。

我が家の畑と住まい。奥が元農機具倉庫、現在の工房です。

土地選びのポイント『暮らしのこと』

■買い物できる場所は?

我が家は東西南北どの方向に行ってもスーパーまで車で30分弱。横浜時代と比べると遠い。しかし渋滞はゼロ、四季の景色の移ろいも楽しめ、さほど苦ではない。
ある程度のまとめ買いなので車が必需品です。

■病院や学校までの距離は?

【病院】
やはり車で30分弱。大きな怪我をすると救急車を呼ぶか、自力で病院に行くか悩む距離。大きな怪我については、今はドクターヘリもあるので安心感がある。
余談ですが以前仕事で大怪我をした際、救急車→ドクターヘリと連携して搬送していただいた。
すぐに処置が出来たので、街と変わらない医療が受けられたと思っています。

【学校】
子育て世代には大問題。我が家も直面しました。生徒数の減少から、学校は統廃合。複式学級の可能性があり、生徒数が少ないので球技が出来ない。運動会は父兄も参加する。
その時、父兄は弁当持参、児童と親戚で昼食をとる場合がある。のどかではあるが、よそ者とシングルには厳しい。
しかし色々と目が行き届くので、街の学校へ中学高校と通うと成績優秀者が多い。この点は予想外でした。

■人口密度を含めた環境

『何を求めて移住をするのか?』これが大事。目的を明確にブレにくい方が良いと思います。
ポツンとした一軒家的な環境を求めている場合、近くに県道や村道があるか?行き止まりではないか?地図も見た方が良い。現地で電柱等の確認、農業や木工をやりたい場合は、200ボルトの電線も確認しておくと安心です。

近くの道が私道だと、電柱は自費で立てる事になるかもしれません。『自給自足するので一切不要』こんな方も注意しなければいけないのは、山の土だと作物は出来にくい。
廃屋の農地の場合、先住民のご先祖様が、何百年も掛けて土を作った畑がある。私のような農業未経験者でも、家庭菜園で野菜が作れます。

■騒音の問題

私は木工作業が仕事。さらに大音響で聞く音楽、楽器も吹きたい。街では全部が難しい。その他ストーブの薪づくり、バイクの改造、騒音の発生源はたくさんある。田舎だから全てが許される訳では無い。
ご近所さんと仲良くしておく必要があるかも?

庭で行う薪割り、いい音とは思いますが響きます。

土地選びのポイント『土地のこと』

■土地の条件(広さ、陽当たり、傾斜、水脈の有無)

やはり『何を求めて移住をするのか?』にかかってきます。私の条件『広さが300坪以上、住まいの建物と工房にする農機具倉庫等が必要、畑があればなお良し』でした。これも人それぞれです。
晴れの日、雨の日の現地を肉眼で確認する、これが基本だと思います。

【水脈の事】
山が居住地の近くにある場合、山水が出る恐れがあります。公的なハザードマップで土石流や土砂崩れ、洪水の危険地域でないかの確認する。現地で住民に聞き取りをする。
可能ならば雨が数日続いている時、水溜りが出来ている箇所を確認する。それが建物に近い場合、土台部分の木に腐りなどの損傷があるかもしれません。外からは見えにくかったりします。

■土地の地目

地目は気にしていない方が意外と多い。例えば田畑が購入地に含まれる場合は農地法の制限がある。さらに田は、圃場整備で税金が投入さている場合は制限が多くなる。
畑にだって勝手にはガレージなどは作れない。地目の変更は、現地の農業委員会の承認が必要。

私は畑を材木置き場流用。そこは畑から雑種地に、地目変更しています。
手順は
■農業委員(現地の農家複数人)に、地目を変えたいと打診
■変更する畑の簡単な平面図と土木会社の見積を揃える
(金銭的に実現できる範囲の計画)
■変更した場合、耕作以上のメリットがあるとの書類を作成し、これらを役場に提出

この後、地目変更許可証が県から発行されました。そして行政書士に依頼し、畑の所有者変更をした登記簿を作成しました。

※地目が農地のままだと、農家以外は地主になれません。
私の購入地に畑が含まれていたので、まずは元地主さんと確約書を交わしました。そこには現所有権は私だと明記しています。地目変更後は登記簿の所有者を変更出来ます。
なんだかんだで1年ぐらいかかったとと思います。これで証書的にも、晴れて畑(雑種地)が自分の物になりました。(売買も可能)

手前が工房、奥が廃屋だった住まいです。

『田舎暮らしの物件購入』その2、に続きます。